画像生成AIの進化スピード、早すぎませんか?
ついこの間まで「指の数がおかしい」「物理法則を無視している」と笑っていたのが嘘のように、今ではプロのカメラマンが撮ったような写真がものの数秒で生成できるようになりました。
今回は、この1年間で、GoogleGeminiの「プロンプト(指示文)の理解力」と「物理的整合性の表現力」がどれほど向上したのか、ある一つの同じプロンプトを過去から現在まで入力し続けて比較してみました。
今回検証に使用した、かなり意地悪で複雑なプロンプトはこちらです。
【入力したプロンプト】
A photorealistic high-resolution horizontal image of a curious kitten with its entire head fully inserted vertically into the narrow opening of a modern rectangular tissue box, so that only the neck and body are visible and the face is completely hidden. The kitten’s back is arched in a surprised pose, hind legs flailing slightly for balance, one front paw raised midair and the other bracing against a soft light gray carpet. A single tissue sticks out beside its neck. Warm indoor lighting, shallow depth of field.
(日本語訳)
現代的な長方形のティッシュ箱の狭い開口部に、好奇心旺盛な子猫が頭を垂直にすっぽりと突っ込み、顔が完全に隠れて首と胴体だけが見えている高解像度の実写風水平画像。子猫は驚いて背中を丸め、バランスを取るために後ろ足を少しバタつかせ、片方の前足を空中に上げ、もう片方の前足を柔らかい明るいグレーのカーペットに踏ん張っている。首の横からティッシュが1枚はみ出している。暖かい室内の照明、浅い被写界深度。
「頭は箱の中」「顔は見えない」「後ろ足は宙に浮く」「片方の前足は上げて、もう片方は踏ん張る」など、ポーズの指定をかなり細かく行っています。
元々は、子猫のいたずらシーンのプロンプト集で取り上げようと思って作ったものでしたが、思いのほか破綻がひどかったので断念したシーンです。

それでは、この難題に対するAIの1年間の奮闘をご覧ください!
- 最新情報について:この記事は2026年12月時点の情報・AIモデルをもとに執筆しています。今後のアップデートにより、機能や生成結果が変わる可能性があります。
- 画像について:本記事の画像は、実在しないAI生成イメージです。
- プロンプトについて:紹介したプロンプト(指示文)は、全く同一の画像が生成されることを保証するものではありません。AIとの一期一会の出会いをお楽しみいただき、ご参考としてお使いください。
第1形態:約1年前(PRO2.5時代)の「大いなる破綻」
まずは1年ほど前の2025年夏頃に作成した「Generating Image」(Gemini自体のバージョンはPRO2.5)時代の画像です。

…どうしてそうなった???
ティッシュ箱がなぜか縦にそびえ立ち、子猫の下半身が箱を貫通(もしくは箱と融合)しています。
前足なのか後ろ足なのか分からない足が不自然な角度で生えており、まさに「AIの描く悪夢」といった仕上がりです。
「ティッシュ箱」「猫」「カーペット」という単語の要素は拾えていますが、空間認識や物理法則は完全に崩壊しています。
当時のGeminiにとって、この複雑なポーズの指定はキャパオーバーだったことがよく分かります。
第2形態:過渡期(NanoBananaエンジン導入直後)の「惜しい!」
続いて、画像生成エンジンが新世代の「NanoBanana」へと移行して間もない頃の出力結果です。

おっ、かなり写真らしくなりました!
破綻がなくなり、子猫の毛並みや木の質感も素晴らしいです。
しかし、プロンプトの再現度という点ではどうでしょうか。
「ティッシュ箱の上部の開口部に垂直に頭を突っ込む」という指示に対し、AIは「箱の横から顔を押し付ける」という解釈をしてしまいました。
「顔が見えない」
「前足を片方上げて踏ん張る」
という細かい指示も無視されています。
画像としては綺麗ですが、「複雑な文章を正確に読み解いて構図を作る」という点では、まだ発展途上といった印象です。
最終形態:2026年8月現在の「完璧なる理解」
そして最後に、本日(2026年8月12日)。
画像生成エンジンは「Nano Banana 2」にバージョンが上がっています。
果たして結果は、、、

これです!!まさにこれ!!!!!👏👏👏
凄まじくないですか?プロンプトの指示との答え合わせをしてみましょう。
- 長方形のティッシュ箱の開口部に頭を垂直に突っ込む:クリア!
- 顔が完全に隠れている:クリア!
- 背中を丸め、後ろ足を少しバタつかせて浮かせている:クリア!
- 片方の前足が浮き、もう片方でカーペットを踏ん張る:クリア!
- 首の横からティッシュがはみ出している:クリア!
- 浅い被写界深度(背景ボケ):クリア!
かつてはティッシュ箱と融合するバグを生み出していたAIが、今やテキストのニュアンスを完璧に理解し、解剖学的にも物理的にも違和感のない、ダイナミックでユーモラスな一瞬を切り取ることができるようになりました。
足の指先の緊張感や、宙に浮いた時の毛のフワッとした質感まで見事に表現されています。
まとめ:AIは「描く」から「理解して構築する」次元へ
たった1年ほどの間に、画像生成AIは単に「綺麗な絵を生成する」だけでなく、「ユーザーの複雑な言語的意図を正確に空間にマッピングして構築する」という次元へと進化しました。
これから先、画像生成AIはどこまで進化するのでしょうか。もしかすると、来年の今頃はこのブログ記事のテキストすら自動で生成した画像付きの完璧なレイアウトで出力してくれるようになっているかもしれませんね(いや、もうすでに半分くらいそんな未来が来ていますが!)。
今後もAIの驚異的な進化の過程を追っていきたいと思います!
