古びた裁縫箱のふたが、ぽんと開いた瞬間。
好奇心のかたまりである子猫は、ふわりと跳び込んだ。
中には、虹みたいに並んだ糸巻き、ぷにぷにのピンクッション、くるくる踊るメジャー。
どれもこれも、触ってみたくなるものばかり。
子猫はそっと前足を伸ばし、メジャーの端をちょん。
くるんと跳ね返ったそれに、目をまんまるにしてもう一度ちょん。
糸巻きの隙間に顔をうずめて、くんくんと匂いを嗅いだり、ピンクッションのてっぺんに乗ったカラフルな待ち針をじっと見つめたり。
この箱の中は、秘密基地。
誰にも邪魔されない、ふしぎな宝物がぎゅっと詰まっている。
子猫は、糸の海を泳ぐように、ころんと転がりながら探検を続ける。
ふと、箱の奥から小さな鈴の音が聞こえた気がして、ぴくりと耳を動かす。
まだまだ知らないものが、きっとこの中にある。
今日の冒険は、始まったばかりだ。
この黄色い糸、ふわふわしてて最高!…あっ、こっちの青も気になるニャ!

