ふかふかのラグの上で繰り広げられる、同世代の子猫たちによる無邪気な宴。
柔らかな毛玉たちがじゃれ合い、小さな熱気を帯びたその空間から少し離れたフローリングに、ぽつんとひとつの影が落ちています。

太い木の柱を盾にするように身を寄せたキジ白の子猫。
背中を丸めながらも、首だけをわずかに捻って視線をラグの方向へと固定しています。
体にきつく巻き付けられた黒い尻尾は、未知の環境に対する緊張の表れ。
初めて顔を合わせるメンバーばかりの輪の中へ飛び込むには、彼特有の「猫見知り」がブレーキをかけてしまうのです。
「あの輪の中に入りたい」。
その切実な思いは、柱の陰からほんの数ミリだけはみ出した前足に滲み出ています。
一歩踏み出そうとしては、またぴょこんと定位置へ引っ込める。
頭の中の勇気ゲージは、まだ満タンには到達していません。
本当は誰よりも遊びたくて、一度心を開けばとことん甘える性格だからこそ、最初のコンタクトにひどく慎重になってしまうのでしょう。
ラグとフローリングを隔てる物理的な距離が、今は果てしなく遠い境界線として存在しています。
焦る必要はありません。
壁際の安全圏からキラキラとした熱い視線を送りながら、自分だけのタイミングが熟すのをじっと待つ。
もどかしくも静かな、小さな心の葛藤の時間です。
