子猫はまだ世界に慣れていない。
大きな音や知らない匂いに出会うたび、胸の奥がきゅっと縮こまる。
そんなとき、安心を探すように人の肩へとよじ登り、首筋に鼻先を押し付ける。
柔らかな布の感触と、肌から伝わるぬくもりが、心を落ち着かせてくれる。
小さな爪先は服に軽く食い込み、離れたくない気持ちを伝えるように震えている。
耳はぴんと立ち、瞳はまだ少し不安げだけれど、そこには信じる気持ちが宿っている。
人の存在が、この子にとっての安全な港。
光に包まれた室内で、子猫は少しずつ勇気を取り戻していく。
しがみつく仕草は弱さではなく、信頼の証。
小さな体が伝える「ここにいたい」という願いは、見守る人の心をやさしく温める。
こうして今日も、ひとりと一匹の物語が静かに紡がれていく。
ここなら安心できるんだ…もう少しだけ、こうしていたいにゃ。

子猫の小さな爪と鼻先が、今日の安心を縫いとめている。
