猫の親子って、見ているだけで癒やされますよね。
そのうえ「ママにべったりの子猫たち」なんて構図が描けたら最高✨
…のはずなんですが、生成AIにやらせると、まぁ~高い確率で破綻します。
足が7本ある母猫、子猫と母猫がフュージョンした謎生物……。
心が痛む画像を何度見させられたことか。
今回はそんな混沌の世界から一歩抜け出した、
「親子愛のある猫写真」を破綻なしで作るためのプロンプト改善プロセス
をまとめました。
同じところで苦しんでいる方の助けになれば幸いです。
- 最新情報について:この記事は2025年12月時点の情報・AIモデルをもとに執筆しています。今後のアップデートにより、機能や生成結果が変わる可能性があります。
- 画像について:本記事の画像は、実在しないAI生成イメージです。
- プロンプトについて:紹介したプロンプト(指示文)は、全く同一の画像が生成されることを保証するものではありません。AIとの一期一会の出会いをお楽しみいただき、ご参考としてお使いください。
親子猫の描写
先月、ベンガル猫の画像生成プロンプト集の記事を作成していた時のこと。

この中で、母猫の上を子猫たちが遊びながら登ったり転がったりしているシーンを以下のプロンプトで作成しました。
A litter of fluffy Bengal kittens playfully climbing and tumbling over their patient mother cat who is relaxing on a sunlit rug. photorealistic, high resolution
日本語訳:陽の当たるラグの上でくつろぐ我慢強い母猫の上を、ふわふわのベンガルの子猫たちが遊びながら登ったり転がったりしています。
このプロンプトで画像生成を試みたところ、Copilotだと比較的生成に成功する確率が高いのですが、DALL・EやSoraだと高確率で猫の部位の描写が破綻します。
なぜなのでしょうか。
なぜAIで「猫の親子」を描こうとしたら破綻地獄になるのか
破綻の原因
猫×親子×密着構図
この3点セット、実は生成AIでも上位クラスの難しさなんです。
理由を一言で言うと
「似た被写体が密集して重なるとモデルが混乱しやすく、破綻しやすい」
ためです。
今回のケースだと、「多頭・毛の模様・密着構図」の3コンボでAIが混乱して描写が破綻したと考えられます。
- 多頭構図 → AIが大パニック
- 動物の体は似ている部分が多いため、境界が曖昧
- 人間よりも“どこが誰のパーツか”を見分けにくい
- 模様(特にベンガル) → 境界がさらに混乱
- しま模様、スポット、光沢…。どれも「分離しにくい」特徴
- 密着 → 破綻ブーストがかかる
- 体が重なれば重なるほど、AIは“判断材料”を失い錯乱
専門用語を少し使って原因をまとめてみますと
- 被写体の反復と重なり
- 複数の同種オブジェクト(子猫)が近接・重なり合うと、モデルの注意機構がどの頭・胴・脚に対応するか混乱し、頭3つに1つの胴体のような「合成ミス」が起きやすいです
- 曖昧な空間指定
- 位置・重なり方(誰が前景で誰が背景か)を明示していないと、モデルは配置を曖昧に処理します
- 解剖学的整合性の弱さ
- 複数の小さな同種被写体は、個々の体のつながり(首→胴→脚)を一貫して出すのが苦手です
- 学習データの偏り / トークン化の限界
- 多頭をきちんと描くサンプルが少ない場合や、モデルが「複数の同一カテゴリ」を一つの塊として扱ってしまうことがあります
生成方式の違い(DALLEとCopilotの差)
先のプロンプトでCopilot系が成功することが多い理由は
- 多くの場合「パーツ分けした生成→合成」を暗黙にやりやすい設計
- 似た被写体でも個別に扱うクセが強く、破綻が少ない
- レイアウト制御(オブジェクト単位での指示、bounding-boxやインペイントでの後処理)に向いたワークフローをサポートしている
- 構図の“余白”や“空間”の扱いがうまい
ためです。
一方で、DALL・Eは単発の文から全体を一度に予測するタイプの振る舞いをすることが多く、似た被写体の反復配置に弱く、局所的なパーツ整合が崩れやすいです。
DALLEは「一枚の構図を一気にまとめて描く」設計が強いため、多頭・密集・同一柄が同時に来るとストレスが急上昇。詰め込まれると混線しがち→構図の指定方法で破綻抑制を図る
DALL・E向け 破綻しないための“黄金の4ルール”
同じ猫・同じ模様・密集・母子……モデルにとっては激ムズ構図ですが、以下の4つを徹底すると一発生成の成功率が大幅に上がります。
今回は、「ネガティブプロンプト」「分割描写」を使わない方法をご紹介します。
ネガティブプロンプトは、要するに「こういう描写はだめ」という指示なのですが、実は、ネガティブプロンプトを増やすことで、かえって破綻が増えることもあるのです。
「余計に縛られる → AIの自由度が減る → でも難易度は高い」
という罠です。
- 子猫の数を“固定”し、全員に個別役割を与える
- 同じ存在が複数いる場合、モデルが混乱するのは「個体の区別が曖昧だから」です
→ 固有の役割・動き・向き・位置を与えると、破綻率が激減します
- 同じ存在が複数いる場合、モデルが混乱するのは「個体の区別が曖昧だから」です
- 「母猫の身体のどの部分にスペースがあるか」を具体化する
- “on her back” のように曖昧だと、胴体に頭3つ問題が起こります
→ 「どの位置」「どの方向から」「どの高さ」が重要
- “on her back” のように曖昧だと、胴体に頭3つ問題が起こります
- 接触を“重ねず、乗せる”にする
- 接触の密度が高いほど破綻します
→ “近いけれど、ちゃんと個別に見える距離” を指定するのが最強です
- 接触の密度が高いほど破綻します
- カメラ位置・距離・レンズを固定する
- レイアウトの解像度が上がるので、破綻防止に効きます
一発狙い用・超精密プロンプトをいくつか試してみた
以下はネガティブプロンプトなしで、多頭破綻を大幅に回避しながら自然な母子シーンを維持するプロンプトをいくつか考えてみます
1. One-shot Master Prompt
英文プロンプト
Photorealistic, high-resolution scene of a Bengal mother cat resting on a sunlit rug.
Five clearly distinct Bengal kittens are positioned around her, each with its own pose and separated body.
Camera at low eye-level, 50mm natural perspective, warm morning light.
- Kitten 1 sits gently near the mother’s left cheek, facing slightly left, both front paws placed on the rug.
- Kitten 2 stands on the mother’s shoulder area, facing forward, body fully visible and balanced.
- Kitten 3 lies on the rug close to the mother’s front legs, belly up, looking toward the camera.
- Kitten 4 sits behind the mother’s tail area, facing the right side, with a relaxed posture.
- Kitten 5 stands near the mother’s back, looking upward with curious expression.
All kittens have fully visible bodies, separate neck-to-body lines, and clearly defined front and hind legs.
Natural shadows show gentle contact without overlapping bodies.
A warm, affectionate family atmosphere.
日本語訳
日差しの当たるラグの上で休むベンガル母猫の、写実的で高解像度のシーン。
5匹のベンガル子猫は、互いに区別でき、体がはっきり分離されて配置されています。
カメラは猫と同じ低い目線、50mmの自然なレンズ、朝の暖かい光。
- 子猫1:母猫の左ほおの近くに座り、やや左向き。前足はラグにきちんと乗っている。
- 子猫2:母猫の肩付近に立ち、正面向き。体は完全に見えていてバランス良い。
- 子猫3:母猫の前足のそばで仰向けに転がり、カメラ方向を見る。
- 子猫4:母猫のしっぽ付近の後ろ側に座り、右側を向き、落ち着いた姿勢。
- 子猫5:母猫の背中近くに立ち、見上げるように好奇心ある表情。
各子猫は完全に見える独立した体、首と胴体のつながりが明確、
前足・後ろ足もきちんと識別可能。
自然な影で触れ合いはあるが、体は重ならず破綻しにくい。
親子の愛情あふれる温かい雰囲気。
生成結果は



確かに破綻は抑えられた。これだけでも大前進。
しかし、生成結果にムラがあり、
- 子猫たちが表情に乏しい
- ママに近いだけで触れ合ってない
- 温度感が足りない
のように、親子の触れ合いが犠牲になってしまう可能性が少なくありません。
「親子の愛情あふれる微笑ましいシーン」のコンセプトは残したい。
そこで、触れ合い要素を“最小限の接触だけ”段階的に戻すことにします。
2. 触れ合い最適化プロンプト(Gentle Contact Version)
英語版
Photorealistic, high-resolution scene of a Bengal mother cat resting on a sunlit rug.
Five distinct Bengal kittens are gathered closely around her, with one gentle physical interaction included.
Camera at low eye-level, 50mm natural perspective, warm morning light.
- Kitten 1 gently rests one front paw on the mother’s shoulder, with its full body clearly visible.
- Kitten 2 sits beside the mother’s cheek, facing forward, close but not overlapping.
- Kitten 3 lies on the rug near the mother’s front paws, belly up, looking at her.
- Kitten 4 sits behind the mother’s tail area, relaxed, looking toward the mother.
- Kitten 5 stands near the mother’s back, watching the scene with a curious expression.
The single contact point (Kitten 1’s paw on the mother) expresses warmth while keeping all bodies fully separate, with clear neck and body lines.
Natural shadows emphasize closeness and affection without merging forms.
日本語訳
日差しの当たるラグの上で休むベンガル母猫の、写実的で高解像度のシーン。
5匹の子猫は母猫の周りに寄り添うように集まり、1か所だけ優しい触れ合いがあります。
カメラは低い目線、50mmの自然な視野、朝の暖かい光。
- 子猫1:母猫の肩に前足をそっと乗せ、体は完全に見える。
- 子猫2:母猫のほおの横に座り、近いが重ならない。
- 子猫3:母猫の前足の近くで仰向けになり、母猫を見上げる。
- 子猫4:母猫のしっぽの後ろに座り、母猫の方を向いている。
- 子猫5:母猫の背中の近くに立ち、好奇心のある表情。
触れ合いポイント(子猫1の前足が母猫の肩に触れる)を1か所だけにし、
他の猫の体は完全に分離、首・胴・足がすべて明確に描写されるようにしています。
自然な影で親子の温かさを見せつつ、破綻リスクを限界まで下げます。
生成結果は


これで母猫への無関心を幾分減りました。
しかし!何とか“複数の子猫が母猫の体に乗る・密着する・じゃれつく” というレベルの触れ合いに持っていきたい!
3. (Perfect Interaction Stability)
改めて、理想形のポイントとSoraやDALL・Eでの振り返り、母猫+子猫が体に乗る「高安定」プロンプトを考えてみます。
- 子猫が母猫の体に乗っている(複数)
- 子猫どうしが近い
- 母猫は落ち着いた表情で、くっきりと首・体が見える
- 子猫の前足・胴体が重なっても破綻していない
- カメラ距離が近く“寄り”の構図
- 体が複雑に重なるけど、光が柔らかくて破綻しづらい
- 複数の子猫が同時に“乗る”動作が推論にとって超複雑
- 密着ポイントが3つ以上あると、胴体の線と前足の位置が破綻しやすい
- 寄り構図が苦手(カメラが近いと誤差が増える)
英語版
Photorealistic, close-up scene of a Bengal mother cat lying on a sunlit rug indoors.
Four Bengal kittens are playfully climbing onto her back and shoulders.
The kittens are clearly separated, with distinct, well-defined bodies, paws, and necks, even while touching the mother.
Their paws rest naturally on the mother’s body without merging.
The mother cat looks gently at one of the kittens with warm, attentive eyes.
Soft morning light, shallow depth of field, warm and cozy atmosphere.
Camera at low eye-level, 85mm lens for a natural close-up without distortion.
Natural shadows maintain clear body outlines, preventing overlap blending.
- “子猫が明確に分離したまま触れる”と指定すると、密着+破綻防止が両立しやすい
- 85mmレンズ指定で寄り構図の破綻が一気に減る
- 視線の指示(母猫が子猫を見る)で“無関心問題”を解消できる
- 影の説明を入れると、AIが“そこに物体がある”と理解しやすくなり、重なりが破綻しにくい
日本語訳
屋内の、日差しの差し込むラグの上に横たわるベンガル母猫。
4匹の子猫が遊ぶように母猫の背中や肩に元気に登っている。
触れ合っていても、子猫たちの体・首・前足は明確に分離して描写される。
前足は母猫の体に自然な位置で乗り、融け込んだり重なりすぎたりしない。
母猫は優しい目で子猫のひとりを見つめ、親子の温かい関係が伝わる。
柔らかい朝の光、浅い被写界深度、温かい雰囲気。
カメラは低い目線で、85mmレンズ設定の自然なクローズアップ(歪みなし)。
自然な影が身体の輪郭を保ち、破綻を防ぐ。
結果は、、、



子猫たちが無表情なのは気になるものの、母猫に寄り添っている感じが出て、構図は元のプロンプトにかなり近づきました。
何が変わったのか(初心者にもわかるように解説)
元プロンプトと今回のプロンプトで何が変わったのか、解説します。
私が抱えていた悩みは、
- 子猫の位置が変なところに生える
- 手足や胴体が溶ける
- 母猫と子猫の距離感が不自然になる
- 親子の触れ合いの「感情」が消える
でした。
今回うまくいったのは、AIが苦手なところを、さりげなく補助する仕組みをプロンプトに入れたからです。
違い①:「触れ合い」が具体化された
元プロンプトでは「子猫が母猫の体に乗っている」とシンプルだったために、AIが適当に解釈し破綻につながりました。
今回のプロンプトでは
- 「背中・肩に登る」
- 「前足は自然に置く」
- 「触れていても“体の線はくっきり見える”」
👉 動作+場所+体の状態まで指示しているから、AIの“勝手な想像”を封じて破綻が激減。
違い②:“子猫同士が分離して見える”と書いた
AIは密着を苦手とします。
そこで、
- 「くっきり分離した体」
- 「首・前足が明確に描写される」
という指示を入れました。
👉 密着しててもパーツが溶けないように、AIに理解させる工夫です。
これは人間でいえば、
「ギューッとするけど、ちゃんと形は崩れないよ!」
と先に言って聞かせてる感じ。
違い③:“母猫がどこを見てるか”を指定した
視線指定はめっちゃ効きます。
- 元:視線の指示なし
→ AIは自由に解釈する → 無関心な母猫になりがち - 改良:
「母猫は子猫のひとりを優しい目で見つめている」
→ 自然に「愛情シーン」が成立する
→ 完全に“家族の空気”が生まれる
視線の指定は、AIの感情表現の方向を決める重要スイッチです。
違い④:カメラ設定(85mm)が破綻を止めた
寄り構図は破綻しやすいのですが、85mm指定は“人でいう標準ポートレート”なので、
- 顔が歪まない
- 体の位置関係が安定する
- 寄りでも破綻しにくい
という効果が出ます。
ざっくり言うと
「このレンズ使うと事故りにくいよ」
って教えてるみたいなものです。
違い⑤:「影」の説明が位置関係の手助けになる
- 「自然な影が輪郭を保つ」
これはAIにとって
“ここにしっかり存在してる物体があるよ”
という入口になります。
影=立体の証拠
なので、合成ミスや溶けが減るんですね。
違い⑥:雰囲気を柔らかく指定した(破綻防止に効く)
- 柔らかい朝の光
- 温かい雰囲気
- 浅い被写界深度
“やわらかい光”はAIにとって破綻しづらい典型パターンです。
影と光が強すぎると、ディテール誤差が再構成しづらくなります。
この章のまとめ
元のプロンプトは:
- やりたいことは正しい
- でもAIの苦手ポイントに踏み込んでいた
- 指示が足りないところをAIが“勝手に解釈”して事故っていた
今回のプロンプトは:
- 動作・位置・距離感を丁寧に言語化
- 視線で感情を作り
- レンズと光で破綻を防ぎ
- 「密着と分離」を同時に成立させるようにした
👉 だから理想の「ママは最高のジャングルジム」が実現できた、という流れです。
まとめ:今日から“親子猫の触れ合い写真”は破綻ゼロへ
- 猫の親子はとにかく破綻しやすいジャンル
- ネガティブプロンプトの過剰投入は逆効果
- 抽象表現ではAIは迷う
- 行動レベルの具体指示が最強
- Kitten1〜5で動作割り当てが安定性を大きく向上
- 一発生成でも理想の“触れ合い感”が出せる
今回のプロセスは、猫以外の動物写真、親子写真、複数人物の交流シーンなど、いろんな分野に応用できますよ。
もしこの記事が同じ地獄に落ちている誰かの救いになったら、親子猫たちもきっと喜んでくれるはずです。
ここで終わりたかったのですが
本記事のOne-shot Master Promptプロンプトを使ってCopilotで画像生成を試みると

イメージはいいけど、Copilotでは高確率で5匹にならない確率が高い(だいたい4匹になる)ことに気付いてしまった!
さらに、Geminiでも類似のプロンプトを試してみたところ
プロンプト
A Bengal mother cat and her five kittens in a warm and intimate family scene.
The mother cat is lying in a relaxed, protective posture, gently watching over her kittens with soft, loving eyes.
Kitten 1: resting against the mother’s chest, head lightly touching her fur.
Kitten 2: playfully interacting with the mother’s front paw.
Kitten 3: nestled under the mother’s chin, receiving gentle contact.
Kitten 4: comfortably lying across the mother’s back.
Kitten 5: softly touching or playing with the mother’s tail.
Soft natural light, cozy indoor setting, clear separation of limbs, stable anatomy, detailed fur texture, warm emotional tone.

Geminiでも高確率で5匹にならない!
どういうこと!?
次回、このずれについて解説します。

