リビングの床にぽつんと放置された小さな茶色い紙袋。
その横を通りかかった茶トラの子猫が、ピタリと足を止めて獲物を見るような視線を向けています。
これなぁに?いい匂いがするかも…!

しっぽをピンと立て、少しへっぴり腰になりながらも、未知の物体に対する好奇心が完全に警戒心を上回っている状態です。
ぱっくりと開いた袋の口に何が潜んでいるのか、慎重に距離を測りながらジリジリと近づいていく、この後のドタバタ劇の発端となる瞬間です。
安全確認が済んだのか、子猫はさらに一歩踏み込み、右側の前足を紙袋の縁にそっと乗せました。
ちょっと触ってみよっと

カサカサという紙特有の乾いた音が鳴り、その小気味良い感触がさらに狩猟本能を刺激したようです。
耳を少し前に傾け、袋の奥底を覗き込むように顔をぐっと近づけています。
すぐ隣には白いラグマットが敷かれていますが、今のこの子には目の前の紙袋しか見えていません。
この数秒後、自ら頭をねじ込んでいくことになるとは予想すらしていません。
にゃにゃっ!?

好奇心が仇となり、見事に紙袋をすっぽりと被ってしまいました。
視界を完全に奪われた子猫は、パニックを起こして暴れることもなく、首に四角い袋を固定したまま不器用な足取りで前進。
その結果、すぐ目の前にあった木製ソファの脚に向かって一直線に進み、見事に「コツン」と衝突しました。
物理的な障害物に頭を阻まれ、前にも進めず袋も抜けず、どうしていいか分からずに完全にフリーズしてしまった痛恨のハプニング現場です。
えっ?いま何があったの?

無事に紙袋から救出された直後の様子です。
足元には、原因となった紙袋がくしゃくしゃに潰れて転がっています。
しかし、当の本猫は先ほどまでの暗闇迷走劇が嘘のようにケロリとしていました。
それどころか、カメラに向かって
「今、何かあった?」
と言わんばかりのキョトンとした表情を浮かべています。
事態を全く飲み込めていないのか、あっけらかんとした顔で立ち尽くす姿に、反省の色は微塵も見えません。
日常の中に潜むドラマを、子猫は今日も全力で演じてくれました。
