引き出しの縁に小さな前足をかけて、子猫はじっと下を見つめている。
部屋の空気はあたたかく、木の香りがほんのり漂う。
けれど子猫の胸の中は、期待と不安が入り混じったざわめきでいっぱいだ。
高い場所から飛び降りるのは、まだ少し怖い。
けれど、その先にはきっと新しい世界が広がっている。
耳をぴんと立て、ひげを震わせながら、子猫は心の中で小さな作戦会議をしている。
飛び降りるべきか、それとももう少し待つべきか。
爪先に力を込めては緩め、また込めては緩める。
その繰り返しが、子猫の迷いを物語っている。
見上げる視点から映し出されたその姿は、挑戦を前にした小さな冒険者のようだ。
引き出しの上は、子猫にとって舞台。
観客は誰もいなくても、心の中では大きな拍手が響いている。
勇気を出す瞬間は、すぐそこまで来ている。
うーん…飛びたいけど、ちょっとドキドキするにゃ。

