冷え込みが厳しい冬の一日。
交通量の少ない路肩には、溶け残った雪が白い塊となって点在しています。
濡れたアスファルトは黒く光り、空気の冷たさを強調しています。
そんな路上で、一匹のキジ白猫が足を折り畳んで座っています。
猫が選んだ場所は、円形の鉄製マンホールの蓋の上、その中央です。
猫は、マンホールの格子状の模様の上に体をぴったりと密着させています。
蓋の隙間からは、地下の温かさを伝える水蒸気が白く、静かに立ち上っています。
その蒸気は、猫の毛並みを優しく包み込むように渦を巻き、ゆっくりと空へと消えていきます。

猫の様子を観察すると、その目はうっすらと閉じられ、完全にリラックスしているようです。
冷たい空気の中で、マンホールから伝わる熱と、立ち上る蒸気の温もりを全身で感じています。
時折、蒸気が猫の顔を掠めますが、猫は微動だにしません。
周囲の冷え切った空気とは対照的に、猫の周りだけが温かな蒸気で満たされています。
路上を歩く人の気配や、遠くを走る車の音も、今のこの猫には届いていないかのようです。
猫にとって、この蒸気立つマンホールは、過酷な冬の路上で見つけた、何よりも温かい特等席に違いありません。
